失楽園しつらくえん

失楽園(英:Paradise Lost)とは、旧約聖書『創世記』第3章の挿話そうわ(本筋と直接関係がない短い話)。

蛇にそそのかされたアダムとエバが、神の禁を破って「善悪の知識の実」を食べ、最終的にエデンの園を追放されるというもの。楽園喪失・楽園追放ともいう。

アダムとイブは、旧約聖書『創世記』に記された、最初の人間である。天地創造の終わりにヤハウェによって創造されたとされる。

なお、アダムとはヘブライ語で「土」「人間」の2つの意味を持つ言葉に由来しており、イヴはヘブライ語でハヴァといい「生きる者」または「生命」という意味である。

旧約聖書『創世記』によると、アダムが創造された時にはエデンの園の外には野の木も草も生えていなかった。アダムはエデンの園に置かれるが、そこにはあらゆる種類の木があり、その中央には生命の木と知恵の木と呼ばれる2本の木があった。それらの木は全て食用に適した実をならせたが、主なる神はアダムに対し善悪の知識の実だけは食べてはならないと命令した。(この時、命の木の実は食べてはいけないとは命令されてはいない。)

その後、女が創造される。蛇が女に近付き、善悪の知識の木の実を食べるよう唆す。女はその実を食べた後、アダムにもそれを勧めた。実を食べた2人は目が開けて自分達が裸であることに気付き、それを恥じてイチジクの葉で腰を覆ったという。

この結果、蛇は腹這はらばの生物となり、女は妊娠と出産の苦痛が増し、また、地(アダム)が呪われることによって、額に汗して働かなければ食料を手に出来ないほど、地の実りが減少することを主なる神は言い渡す。

アダムが女をエバと名付けたのはその後のことであり、主なる神は命の木の実をも食べることを恐れ、彼らに衣を与えると、2人を園から追放する。命の木を守るため、主なる神はエデンの東にケルビムときらめく剣の炎を置いた。

その後、アダムは930歳で死んだとされるが、エバの死については記述がない。また、「善悪の知識の木」の実(禁断の果実)はよく絵画などにリンゴとして描かれているが、『創世記』には何の果実であるかという記述はない。

17世紀のイギリス人作家ジョン・ミルトンは、この物語をモチーフにして『失楽園』を書いている。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 アダムとエバ

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